環境省のレッドリストで絶滅危惧 II 類に指定されているサシバは渡り鳥で、日本だけでなく中国や韓国、台湾、フィリピン、インドネシアなど広くアジアの国々に分布しています。中国や韓国で繁殖した個体と日本で繁殖した個体の一部はフィリピンなどに渡って越冬するため、サシバを保全してくためには国内だけでなく海外との情報共有・協力が非常に重要です。さらに繁殖地、中継地、越冬地、そしてそれを結ぶ渡りルートを把握してそれぞれでの保全対策が必要となります。

これらのうちこれまでにGPS タグによる衛星追跡でサシバの渡りルートを把握しようと試みた研究は国内外で見られ、たくさんのことが分かってきました。一方では、越冬地での生活や地域ごとの渡りルート、毎年同じ場所に渡るのかなどなどまだ分からないことも多いのが現状です。

そこで、渡りルートの全容を解明することを目的としてこのプロジェクトを立ち上げました。サシバの渡りの全容を解明するためには、分布域全体で、未解明の部分を補いながらできるだけ多くの個体に GPS タグを装着して情報を蓄積する必要があり、このプロジェクトは長い年月をかけていろいろな地域で実施していかなければなりません。そのため調査の中長期的な計画を定め、継続していくことが重要であると位置付けて活動を進めています。

調査に必要な活動資金の一部はクラウドファンディングで募っています。GPS タグが高価であることも理由としてありますが、研究者だけでなく野鳥を楽しむ方や地域の環境に関心のある方、地元で繁殖するサシバが渡ってくるのを楽しみにしておられる方、里山で農業をされてサシバを見上げる方などさまざまな人がこのプロジェクトに関わってもらい、サシバのことをもっと多くの人に知ってもらい、より関心を持ってもらうことが大きな目的です。

サシバの保全活動は、研究者や保全活動家など特定の誰かが頑張れば良いというものではありません。その必要性を多くの方が認識し、みんなが一体となって行動し、見守って行くことが大切と考えます。

将来的にはサシバが舞う環境が維持できるように保全活動とそれぞれの地域での見守りが日常的に行われ、サシバと共生できるような社会を目指していきたいと思います。

GPSを装着したサシバ
2025年秋の渡りの全個体ルート
GPS捕獲調査時の個体記録
捕獲調査時のバッタ取り
関連サイト

全国タカの渡りネットワーク様に、GPS装着サシバの個体情報の特設サイトを作成いただきました!誠に感謝申し上げます。

詳しくは下のリンクボタンからご覧ください。

参画団体(五十音順)
  1. 構成団体:アジア猛禽類ネットワーク、NPO 法人奄美野鳥の会、(公財)日本自然保護協会、(公財)日本鳥類保護連盟、 (公財)日本野鳥の会
  2. 協力団体等:台湾猛禽研究会、(株)寺田本家、ヌエバビスカヤ州立大学、Raptorwatch Network Philippines